もうこはん日記

いまだ青い尻を晒せ

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

恋文地獄篇3~秋~

『拝啓夏に出会った恋人よ秋は少し寒い夏、冬は寒すぎる夏、春は早い夏。夏が、いつまでも終わらない。 終わらせることが出来ない僕は、きっと生きているのか死んでいるか分からない顔をしているのでしょう。』 彼女が来ることもなくなって、私の部屋は散ら…

恋文地獄篇2~夏~

『拝啓愛しい恋人よ夏が来ています。外はきっと夏の匂いがして、それを感じれば、あの日の僕に戻れるような気がするかもしれません。でも、所詮は錯覚なのです。君と会ったのは、夏だった。あの頃は、吐き出す感情のままに生きてゆける気がしていた。何かに…

恋文地獄篇1~春~

『拝啓愛しい恋人よお元気ですか?僕は相変わらず。頭の中に羽虫を飼っているような毎日です。耳障りな雑音が、いつまでも鳴り止まない。でも、僕はやっと気づいたんだ。僕を混乱させるこのノイズこそが、実は本当に聞きたかったものだったんだと。何にも耳…