もうこはん日記

いまだ青い尻を晒せ

虚実日記

【怪談】老人を喰いものにする話【都市伝説】

羽毛布団とかサプリメントとかマッサージ機か健康食品か仏壇なんかの実演販売などをやって老人を騙して食いものにしている青年がいる。その青年は職業柄か一見爽やかで人懐こく、お客の老人達にも可愛がられてたりする。特にある一組の老夫婦には孫同然のよ…

地ベタのおでん

引っ越しました。 そういうわけで、数年振りの一人暮らしを再開した。 場所は北区。 ざっくばらんな庶民の街で、駅から六分の、こじんまりとした部屋を借りた。 なんとなく、この街のことを少し書こうと思ったので、書いてみる。 さて、駅前から路地に入った…

僕は青春を失ったのか

二十代前半くらいの女の子と酒を飲んだ。 と言っても、別に二人きりでもないし、残念ながら色っぽい話には発展しない。 まあでも、話題はちょっと色っぽい方面にも行った。 その女の子は色恋沙汰に悩んでいるらしく、なんとなくその場にいたもう一人と一緒に…

The Camp of Developmental Disorder // Day 1 【暫定版】

国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。 そうは言ってもいまは夏の真っ盛りで、雪はない。夜の底は白くならない。時刻はもう明け方だった。地元を出発したのは夜中過ぎ。それでもう間もなく目的地に着いてしまう。早いものだ。高速道路は空いていて、車の…

ジャスティス・カスタマー

正義の消費者

『リベンジポルノ☆イン・ザ・アメリカンドリーム』

リベンジポルノ報道を見ていたら、なんか書いてしまいました。

信仰の犬、西へ

関西人の男が嫌いだ。 理由は簡単だ。関西弁が好きではない。女の関西弁はまだ許せる。だが男は駄目だ。万死に値する。 学生時代、度々顔を合わせる関西男がいた。得意げな関西弁トークは聞くに耐えなかった。 ある酒の席、とうとう我慢ならなくなったおれは…

下衆で、めんどう

やらしてくれ。なんでもいいから。誰か。やらしてくれ。やれればそれでいい。とにかくやらしてくれ。とりあえず。 桜はすでに咲き始めていた。お堀沿いのベンチで日のあるうちから酒を飲み続けていた。足下には発泡酒の空き缶が何本も転がる。例年ならもうこ…

とんぼ

強烈な一撃をどてっぱらに食らったようだった。苦しみに脂汗が滲む。重い足を引きずり、なめくじのように這い進む。自分を運べるのは自分の足だけだ。つまり進むしかない。どれだけそれが困難で理不尽でも。背骨をきしませるような痛みが、稲妻のように走る…

conversation

場末の街の、場末の喫茶店で、場末感漂う珈琲を啜りながら、おれは隣席の男女の会話に引きつけられていた。「オオヒラさんね、死相が出てる。死んじゃうよ、もうすぐ」「シソウ? 失踪? ああ、死相か。ふーん」「あ、ほら、そうやって、すぐ煙草吸う。パカ…

今後の人生の晒し首と憧れのセックス

「回らない首」 積み重なったちゃっちい借金で首が回らず、辛うじて維持していた安アパートも引き払い、それでもしがみつくように都内を転々と、居候からそのまま居座り、居直り強盗のような生活を続けてはいたが、当然のように女には愛想を尽かされ、友人に…

入院生活

余の入院生活も一先ずはこれで了となりしが、余が臥せたる大部屋の、遮幕越しに聞こえたる隣人連の人相及び振る舞いなど、如何にも瑣末なことにあれど少しく興を覚えたる故、夕食後の茶飲みの暇などに君に語りたく。漱石大先生見習うが如し明治文化人高踏的…

混迷の現代における、ある一つの教育論の提起

フィッシュマンズの曲で「教育」というタイトルがある。 実際に聞いてみると、きっと「なんじゃこら」と思うだろう。いま手元にCDがないのだけど、インパクトが強い曲だったので、わりと明瞭に覚えている。 こんな曲だ。 やたらに軽快な、どうもこのバンドら…

ずりずれいよう

モツの部屋に三日目。 自分は汚い部屋というのに免疫がある方だと思っていたのだが、実はそうでもなかった。部屋のドアを開けるとまず「ぎゃっ」と叫んだ。モツは、これでもちょっとは片付けておいたのだ、と言う。確かに台所の脇にパンパンに詰め込んだゴミ…

犬に喰わせろ

『座敷犬の膨れる下腹は飼い主の寂しさと正比例である』「私は結局,座敷犬が欲しいだけなのね」そんなことは分かっている。それよりも,夕飯は何を食うんだ。それが問題なんだよ。朝からテレビは暗いニュースを垂れ流し,天気も良かったのに外出もせず,気…

シンシア

なつかしい人やあの町は、いまも変わらずに、そこにあるのだろうか。賑やかな商店街。よく君と買い物をした。僕は手軽にカレーでも作ろうとしてたのに、君は唐揚げが食べたいなんて言い出してスーパーと肉屋を往復した。揚げ物なんて一人じゃ作らないものね…