もうこはん日記

いまだ青い尻を晒せ

混迷の現代における、ある一つの教育論の提起

フィッシュマンズの曲で「教育」というタイトルがある。 実際に聞いてみると、きっと「なんじゃこら」と思うだろう。いま手元にCDがないのだけど、インパクトが強い曲だったので、わりと明瞭に覚えている。 こんな曲だ。 やたらに軽快な、どうもこのバンドら…

むしし

紫の竜が恐ろしいほどに強い。 まぁ奴は裏ボスなのだ、強くて当たり前かもしれない。でも、それにしたって、ちょっと理不尽なくらいの強さではないか。気を許せば、つうか張り詰めていたところで、ブレスの後の二回攻撃とか痛恨の一撃だかでこちらのパーティ…

ずりずれいよう

モツの部屋に三日目。 自分は汚い部屋というのに免疫がある方だと思っていたのだが、実はそうでもなかった。部屋のドアを開けるとまず「ぎゃっ」と叫んだ。モツは、これでもちょっとは片付けておいたのだ、と言う。確かに台所の脇にパンパンに詰め込んだゴミ…

恋文地獄篇7~二度目の春・後編~

『拝啓愛しい恋人よ桜は散ってしまうから美しい、と人は言う。消えてしまうと分かっている儚いものを、人はどうして愛するのだろうか。桜は散ってしまい、そしてまた咲くのだ、それでいいじゃないか、と君は言う。でも、やっぱり僕には耐えられそうにない。…

恋文地獄篇6~二度目の春・前編~

『拝啓恋人よ春は人の心をゴム毬のようにするらしい。後先考えられずに弾んで、それから落ちる。出口のない部屋に転がってゆく。恋人よ、君は春に似ているのかもしれない。始末におけないのは、それが何度も巡って来るものだからだ。君はもう何度やって来て…

恋文地獄篇5~冬のおわり~

『拝啓。愛しい恋人よなにかに裏切られたとか、なにかを失ったとか、そんなときに思い出すのは、いつも君のことだった。それは君を恨んでいるからとか、そんなことばかりではないような気がする。悲しかったり、やりきれなかったりするときには、君が大きな…

恋文地獄篇4~冬のはじまり~

『拝啓恋人よ冬が来たようです。コンクリートの壁を伝うように、凍てつくような寒さが僕の部屋を包んでいます。そちらは、寒くはないでしょうか?恋人よ、こうして時候の挨拶なんて並べてみたって、意味のないことは分かっているんだ。どうせ君には届きはし…

恋文地獄篇3~秋~

『拝啓夏に出会った恋人よ秋は少し寒い夏、冬は寒すぎる夏、春は早い夏。夏が、いつまでも終わらない。 終わらせることが出来ない僕は、きっと生きているのか死んでいるか分からない顔をしているのでしょう。』 彼女が来ることもなくなって、私の部屋は散ら…

恋文地獄篇2~夏~

『拝啓愛しい恋人よ夏が来ています。外はきっと夏の匂いがして、それを感じれば、あの日の僕に戻れるような気がするかもしれません。でも、所詮は錯覚なのです。君と会ったのは、夏だった。あの頃は、吐き出す感情のままに生きてゆける気がしていた。何かに…

恋文地獄篇1~春~

『拝啓愛しい恋人よお元気ですか?僕は相変わらず。頭の中に羽虫を飼っているような毎日です。耳障りな雑音が、いつまでも鳴り止まない。でも、僕はやっと気づいたんだ。僕を混乱させるこのノイズこそが、実は本当に聞きたかったものだったんだと。何にも耳…

青春は臭う

昨夜、撮影の後でジンギスカンをやった。そのうえ、大量のニンニクも摂取したので自分の臭いが気になった。少なくとも、女性を引き寄せる匂いではないだろう。更に、この文章を書いている現在、物凄い汗をかいた後で雨にも降られ、シャワーも浴びていない。…

「未払いなのか、不払いなのか」それは大した問題じゃない

久しぶりの更新だ。日記なんか書けなかった。なにせ、ネットが止まっていた。ついでに言うと、止まったのはネットだけではない。電気も止まった。ヤクザ映画を見ていて、鶴田浩二が若山富三郎に「兄弟、ここは堪えてくれ」と言った瞬間に画面が真っ暗になっ…

春に鎮痛剤を

春は落ち着かない。「桜は散ってしまうから美しい」と言う。その通りだと思う。でも、すぐに散ってしまう桜を前から楽しみに待って、いざ満開になったら「散ってしまわないうちに…」と急いで花見なんぞ企画する。例えば、これも何だか忙しなくて落ち着かない…

健康な私

最近の僕のテーマは「健康」である。先日、バイト先で「お前はやばい」と言われた。僕の目は社会不適合を主張してギラギラ乱反射し、そうかと思えば、雨に濡れた子犬のように怯え、母性を弄ぶ。それを見た女はもう放っておけず、瞬く間に腕の中、くんずほず…

犬に喰わせろ

『座敷犬の膨れる下腹は飼い主の寂しさと正比例である』「私は結局,座敷犬が欲しいだけなのね」そんなことは分かっている。それよりも,夕飯は何を食うんだ。それが問題なんだよ。朝からテレビは暗いニュースを垂れ流し,天気も良かったのに外出もせず,気…

昆虫王者新年ドライブ

例年のように、年越しは関東平野をあてどなくさ迷っていた。型遅れのジムニーは、後部の屋根が取り外し可能なビニールで出来ており、夏は屋根を取っ払ってカーステレオで井上陽水など聞きながら走るとシネマ的な風景となって気分がいい。しかし、今の季節に…

シンシア

なつかしい人やあの町は、いまも変わらずに、そこにあるのだろうか。賑やかな商店街。よく君と買い物をした。僕は手軽にカレーでも作ろうとしてたのに、君は唐揚げが食べたいなんて言い出してスーパーと肉屋を往復した。揚げ物なんて一人じゃ作らないものね…